よく分からないまま、出来たオムライスを皿に盛り付ける。


「おっ・・・もしかすると、これはオムライス!」

「もしかしなくても普通にオムライスです」


オムライスに見えない・・みたいな言い方するからちょっと失礼だなと思いながらも、

3皿分を盛り付けて、2皿だけ机に運ぶ。



「もう1皿は・・・?」

「あ、お母さんの分。帰りが遅いから」



私がそう言うと、

爽太は「そっか、優しいな」と言って笑った。



キッチンから見ると、テーブルはキッチンカウンターの向こう側ですぐ傍にある。


キッチンからすぐに料理が渡せるように近くにあって、椅子は2脚しかないがテーブルは大きい。



そこに向かい合うように座った私たち。


テレビからは大きな笑い声が聞こえるのに、二人の間の空気は静かで・・・何を話していいのか分からない。



「じゃあ、食べますか」


「ん、いただきまーす」


ケチャップをかけて、スプーンを手に取る爽太。


今になって何だか味に不安になってきて、私の手が止まる。