「ご、ごめん・・・」 私はそれだけ言うと、歩き始めた。 流生は・・・私が濡れないようにしてくれただけなのに・・・・私は流生を傷つけてしまったかもしれない。 なぜかずっと胸が苦しくて・・・少しずつ歩くのが速くなっていった。 その後、私たちが会話を交わすことはなく・・・気づいてみれば私の家の前に着いていた。 流生は、どう思っただろう。 私のことを気にかけてくれていたのに・・・・。 「じゃあな。風邪引くんじゃねーぞ」 流生は私に向かってそう言うと、顔の高さで軽く手を振った。