太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

私は急いで階段を駆け下りる。

肩から落ちそうになるカバン。

息が上がる。


下駄箱の前まで行くと、急いで自分の靴を履き替える。



このまま急いで帰ろう。


何も考えずに、ただ家に向かって走ればいい。



そう思ったけれど、止まった足。


・・・・まだ・・・降ってる・・・。


爽太と真奈美のことで頭がいっぱいで、忘れていた。


今日、私が傘を持っていなかったことを。



体育館で部活をしていた運動部の人が駆け足で校舎の中に入ってくる。


玄関はたちまち多くの人で溢れていく。



爽太も流生もバスケ部で、私は弓道部。

・・・いつもは体育館とは遠いところにある射撃場で部活をしているから、部活中に爽太を見たりとか・・・そういうのはできない。