「おい、黒板消し叩いてこいよ」 爽太は手早く床を拭きながら私に向かってそう言うと、「あー、暑い!」と言って立ち上がり制服のズボンを捲くり上げた。 「はーい」 私は逆らうことなく黒板消しを持ってベランダに出る。 ・・・・まだ雨降ってるよ・・・。 早く止まないかな・・・・。 真っ白になっている黒板消しが塗れないようにしながら、二つを叩き合わせる。 今時、黒板消しクリーナーくらいあってもいいのに、このクラスにはない。