「待て芽悠!」
聞いたこともない流生の大きな怒鳴り声が、玄関に響いた。
ビクンと体が大きく反応して、立ち止まる。
流生は・・・私の想いを知っていて、私のために言ってくれているのに・・・。
流生に告白されたとき、自分が嫌でたまらなかった。
私のことを好きでいてくれる人がいるのに、その気持ちには応えられなくて。
自分の気持ちを相手に伝えられるかと言われれば、そんなことができなくて。
私は何もできなくて、ただそんな自分が嫌でたまらなかったのに。
今だって、それは何一つ変わっていない。
「向き合え。もっと、強くなれ」
落ち着いた声だけど、どこか力強い声で。
その声は、その言葉は、いつまでもくよくよしていた私に一筋の光を見せてくれたようだった。
ちゃんと、向き合わなきゃいけない時が来た。
ちゃんと、受け入れないといけない時が来た。
「わたしも・・・ちゃんと話したい」
わたしは小さな声で、だけどもう涙なんて見せずに言った。

