胸が、酷く痛い。
「爽太と、話す必要なんてない」
涙に気づかれないようにそっぽを向いたまま、吐き捨てるようにそう言った。
「本当に、そう思ってんの?」
そう言った流生の言葉が、心に刺さって抜けなくなる。
本当は、話したい。
ちゃんと、伝えたい。
全部本当のことを話したい。
全部本当のことを、聞きたい。
「でも!爽太は真奈美と・・・」
「付き合ってないよ」
その時、目の前から聞こえた声。
ドクンと心臓が大きく波打って、目に溜まった涙がまたポタッと落ちた。
久しぶりに聞いた声。
ゆっくりと顔を上げると・・・そこには爽太がいて。
なんで・・・。
久しぶりに、ちゃんと彼の顔を見た。
久しぶりに、ちゃんと目を合わせた。
爽太の目が、真っ直ぐに私を捉えている。
「話したい。ちゃんと」
ゆっくりと、落ち着いた声でそう言った爽太。
私の頭の中では、すぐに爽太と真奈美の・・・キスシーンが蘇って。
思い出さないようにしていたのに・・・それだけでまた涙が溢れてくる。
苦しい・・・。
嫌だ・・・。
本当のことってなに?
なにが聞きたかった?
なにを知りたかった?
私が知りたいことが・・・もしそれが・・・これ以上私を辛くさせるものだったら・・・?
そう思うといてもたってもいられなくて、流生の手を振りほどく。

