薄暗くなってきた外を見ながら、玄関へ向かう。
もう校舎にはほとんど人がいないようで、自分の足音が廊下に響く。
下駄箱について靴を履きかえていると、タッタッタッと足音が聞こえた。
「芽悠」
その声に少し驚いて、ビクッと体が震えた。
「流生!びっくりしたじゃん・・・」
「ごめんな、爽太じゃなくて」
そう言っていたずらっぽく笑った流生。
ズキッと胸が痛んで、なぜか涙がこぼれそうになって私は唇を噛み締めた。
「別に爽太だと思ってない」
流生の顔を見ずに、下を向いたまま靴を履く。
私がそのまま何事もなかったように帰ろうとすると、流生にパシッと腕を掴まれた。
「爽太と・・・ちゃんと話してやって」
流生は、切なそうな声で私にそう言った。
心臓がぎゅっと鷲掴みにされたように苦しくなって、溜まった大粒の涙がポロッとこぼれ落ちた。

