太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~




佐野は芽悠の頬にかかっていた髪の毛を優しい手つきで耳にかけると・・・・

二人は吸い寄せられるように


_______キスをした。



夕日が二人の横顔の輪郭をくっきりと浮かび上がらせ・・・・縁っていく。


・・・・・言葉に、ならなかった・・・。

ただ、苦しい・・・・。


全身が震えて・・・・頭の芯がクラクラする。




俺は・・・・・・



______出遅れた。





俺とのキスは・・・・。


俺の気持ちは・・・・・。


俺の言葉は・・・・_______



何もかも、行動に移したのが遅すぎて・・・。


気持ちも、言葉も・・・・勇気を出した結果さえも・・・・

何の意味もなく崩れていく。






好きなんだ。




叫びたい。



大きな声で、何度だって叫びたい。





でもきっとそれは・・・・・



____いくら叫んだって、全然届かない。




_______もう届かないんだ。








『芽悠!』




彼女の名前を呼んで、奪い去ることができたら。




『ずっと好きだった』




全てを話して、本当の気持ちを分かってもらうことができたら。




『愛してる』




彼女を・・・・・・俺のものにできたら・・・・・。








何度そんなことを考えても、意味なんてない。




もう、意味なんてないんだ・・・・。