太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~




「誰も・・・・・私のことを見てくれる人なんていなかった・・・。
中学の時、陰キャラで目立たなかった私が、
友達が好きだった人から告られて付き合ったら・・・奪ったって言われて。
でも、今まで存在がないかのように扱われてたのに、こうやって人の好きな人と付き合うだけで・・・・注目集められて、私の噂ばかり広まる。
それが・・・・・・楽しくて堪らなかった」


涙を流しながら・・・・それでも必死に話す彼女。


「だって・・・・誰も私のことなんて見てなかったんだよ?
でも誰かの彼氏とか好きな人奪うだけで、みんな私の噂ばっかりして・・・・・今までが嘘みたいに。
そういう、自分が注目を集めてるってことが新鮮で、嬉しくて・・・・・」


いつの間にか、そんな自分勝手な気持ちから・・・・抜け出せなくなってた。


そう言って下を向いた彼女に・・・・・・なぜか、可哀想だと感じた。

そんな風にしか、幸せを感じられない。

注目を集めたいという自分の欲にかられて・・・・周りが見えなくなっている。

そんな横岡を・・・・・可哀想だと思った。



「違うよ、それ。
横岡が言ってる"自分のことを見てくれる"っていうの・・・・違うよ」