太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~




教室の中で動いている人影を見て、そのまま勢いよく中へ駆け込む。



「・・・ぁ・・・爽太くん?」



思ったとおり、その声は横岡のもので。


肩で息をしながら、目の前にやってきた彼女を見つめる。

真っ赤な唇が不気味に弧を描いて微笑む。



「お前・・・・・芽悠の気持ち知ってて、俺にキスしたの・・・?」



冷たく言い放たれた言葉に、何事もなかったかのように微笑んだままの彼女。



「そうだけど・・・・どうかした?」



口元は笑ってるのに・・・・・目が、笑ってない。

全身に鳥肌が立つような感覚を覚えると同時に、目の前の彼女に・・・・疑問を抱いた。



「・・・お前は・・・・それで幸せなの?」



人の大切な人を奪うことで何を感じるのか・・・そんなことは知らない。

けれど・・・・そんなことをしてまで・・・・


____それほどまでして彼女が手に入れたいものは・・・・・何なんだろう。