「嘘じゃない」
この状況で、俺が何を言っても・・・・・
お前に信じてもらえるとは思ってないけど。
だけど・・・・・・・______
____芽悠が好きなことには変わりないから
「嘘じゃん。じゃあなんで・・・・・真奈美と・・・・・。
意味分かんない」
振りほどかれた手が・・・・・まるで水の泡を掴んでいたかのように・・・力なく床に落ちる。
俺が掴んでいたのは・・・・・芽悠の手だったんだろうか・・・。
水の泡のように指からすり抜けていった温かみが、さっきまでの時間を・・・幻想だと思わせる。
俺が・・・・・・つなぎ止めたかったのは・・・・・・。
本当に掴みたかったのは・・・・・・・
_______芽悠の心だ。
俺しかいない空き教室に・・・・廊下を通り過ぎる生徒の声が響く。
俺はずっと・・・・・・芽悠のことを傷つけてた・・・・・。
それは俺と芽悠が親友だからとかじゃなくて。
彼女の親友を傷つけたからとかじゃなくて。
芽悠は・・・俺を・・・・・。
・・・・・・俺のことを・・・
想ってくれてたんだ_______

