教室を出てすぐの廊下の壁にもたれかかっていると、教室から足早に出てくる芽悠が見えた。
・・・流生とそんなに話してないみたいで良かった。
何ホッとしてんの、俺。
少しして流生も教室から出てきて・・・・俺に気づくと目の前までやってきて言った。
「言ったのか・・・?」
流生の言葉が重く響く。
俺は下を向いて、「言ってない」と答えた。
・・・・・・言えるはずないだろ。
芽悠の泣き顔なんて・・・・見たくない。
「いいのか・・・?」
流生の言ったことが、俺の心の声になる。
本当に・・・このままでいいのか?
流生は何もかも知っているけれど、深く聞こうとしない。
「いいんだ」
「そうか。なら、いいけど」
それ以上流生は俺に何も聞かず、掃除場所へ行った。

