そんな頃、ただ父親に褒めてもらえたのは・・・バスケだけだった。
小学生になる前から興味があって、実際に本格的に始めたのは小2くらいの時だ。
勉強が出来ないなら、他のことで・・・・どうにか認めてもらえないか、なんて必死になっていた俺は・・・手段とかそんなものはどうでも良かった。
目的が達成できれば、それで良い。
そんな風に思って今までバスケにだけは・・・手を抜いたことがなかった。
朝練には必ず出たし、部活を休んだ日なんて・・・数えるくらいしかない。
「応援・・・してるから・・・・」
「うん・・・・・」
母さんの寂しそうな声に、耳を背けたくなる。
「母さんも、いつかは一緒に行って暮らそうかな」
「・・・・・気が早いよ・・・」
「・・・・ふふっ、・・そうよね・・・」
練習した分だけ、結果は出た。
それでもチーム自体は弱くて、大きな大会で優勝なんてことは到底無理だった。

