『お前は、何のために生まれてきたんだ』


ある日、父さんにそんなことを言われた。

その時感じた、喪失感。

それに加えて、惨めで落ちぶれた自分に対する怒り。


今でも忘れられないくらいに刻みつけられている、深い傷に等しい記憶。



けれどそれと同時に感じた、父親に認められたいという気持ち。



「爽太ー?起きてるの?」



ドアの向こう側から、母さんの声が聞こえた。



「・・・何・・・?」


「お父さんがね・・・言ってたわよ。あいつは絶対大物になるんだって」

「そっか」



あれから俺は、いつの間にかそれだけが生きる目的で・・・そのために何かをやり遂げるという考えしか持てなくなっていた。