「ほら・・・・。もう泣くなよ」
先生はポンポン、と私の頭を撫でると、私の顔を覗き込んで優しく微笑んだ。
ドキッとして、頬が少しだけ赤くなる。
それに加えて、なぜか急に鼓動が速くなって・・・・すぐに真っ赤に染まっていく顔。
先生の顔が見られなくなって、小さく俯く。
「せん、せ・・・・」
高まる鼓動。
だけどなぜかその時・・・・さっきの爽太と真奈美のキスシーンが、頭の中を過る。
思い出したくもない光景が、蘇ってくる。
私は咄嗟に・・・先生の腰に手を回して、ぎゅっと抱きついた。
「どうしたの・・・?」
少し慌てたようだったけれど、すぐに落ち着いた声に戻って、先生は私に優しくそう言った。
私は何も思い出したくなくて、ぎゅっと、先生を抱きしめている腕に力を込めた。
「ちょっとだけ・・」
私は小さな声でそう言うと、先生の胸に顔を埋めた。
息が詰まって、泣きそうになるのをぐっと堪える。
・・・・私は・・・どうすれば、いいんだろ・・・。
先生は・・・・・片手を私の背中に回して、もう片方の手で私の頭を優しく撫でた。
「ちょっとじゃなくても、いいよ」
耳元で、甘い先生の声が響いた。

