太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~



私は先生の上着の裾を掴んでいた手に、ぐっと力を込めた。




数秒経ったとき。


何も起こらなくて、ゆっくりと・・・・・・目を開ける。




先生は体を屈めて、私の目の前に自分の顔を持ってきたまま、切なげに私を見ていた。



「出来ないね」



私の瞳を見つめて、そう言った先生。


そして、ふっと・・・優しく微笑んだ。




「好きじゃない人と、キス・・・・・出来ないね」




先生はそう言うと私の頬から手を離して優しく私の頭を撫でた。