生徒会室の前まで行くと、ゆっくりとドアを開けた。
隙間から見えた佐野っちの横顔。
何かを考えているように、頬杖をついたまま・・・動かない。
ドアを開く音に気がついたのか、先生がゆっくりとこちらを向いた。
「遅い」
それだけ言うと、先生はふっと優しい笑みを浮かべた。
なんか、今日は・・・・優しい?
ちょっといつもとは違うような先生の雰囲気に戸惑いながら、すいません、と言って教室の中に入るとドアを閉めた。
すると先生は、ここ、と言って自分の座っている席の向かいの席を指さした。
座れって、ことだよね?
生徒会室には使わない小さな机がいくつかあって、私は先生とその机に向かい合って座っている。
・・・・から、なんか・・・その・・・・・。
距離が、近い。

