「あー・・・暑い」



芽悠の言葉で、一気に現実に戻される。


ジメジメしてすっきりしないこの季節は・・・・何だか、息苦しい。



「ふぅー・・・」



そう思っていたら、机から下敷きを取り出して顔を扇ぎ始めた芽悠。


肩の少し上くらいまである芽悠の髪が、風で揺れる。

あまり涼しくなかったのか、少しむっとして眉を下げている。


・・・・・可愛い・・・・。


って何考えてんだよ俺・・・。



俺も同じように手で顔を扇いでみるが、全く効果なし。



「俺にも風よこせー」



これ以上頑張っても意味がないと分かった俺は、芽悠に扇いでくれと言うように少し拗ねた顔をした。