佐野は俺に背を向けると、
「急に引き留めて悪かったな」
と言って、軽く手を振り教室の出口に向かう。
____お前が・・・・アイツの隣で、
笑顔にしてやれ_______
「佐野っ!!」
俺は大きな声で叫び、佐野を呼び止める。
足を止め、ゆっくりとこちらを振り返る。
佐野は・・・・驚いた顔で俺を見た。
「俺は、お前にアイツを譲ってもらったとか、思ってない。
お前に、アイツを頼まれてもいないから。
俺は俺の意志で、アイツの隣で、アイツを笑顔にする。
だから・・・だから、俺は・・・・
お前が後悔するくらい____
____芽悠を幸せにするから!!」

