太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~



"泣いてる"


そう言った佐野の言葉を今、理解する。

少し遠いけれど、ここからならはっきりと見える射撃場。

弓道部の芽悠は、いつもそこで練習してる。



蹲る彼女の姿と、その隣に座って彼女を見つめて何かを言う男子。


あ・・・・・・。


__ゆうくん


2年になって、芽悠がよく口にしていた男子の名前。

後輩で、可愛いんだっていつも嬉しそうに話してた。


そう・・・か・・・。

そっか・・・・。


俺がアイツを泣かせても・・・・

アイツを慰めてくれる奴はいくらでもいる。