「あー・・・降り出したな・・・」


土砂降りの雨を見ながら、俺は呟いた。


さっきまで喧嘩していたのが嘘のように、芽悠は静かに外を見つめている。



さっき好きな人を聞かれたときには尋常じゃないくらいの冷や汗が出そうになって・・・

パニックになりそうだった。


・・・あの時好きって言ったら・・・お前はなんて言ったかな・・・。


本当は・・・今すぐにでも抱きしめたいのに・・・・。



雨って・・・どうしてこんなに切なく感じるのかな・・・。

落ちていく雨粒が、俺の心を洗ってくれればいいのに・・・。

ふと感じた哀しみや・・・切なさ。



「これは・・・帰りまで降りそうだね・・・」