太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

パッと振り返って佐野を見る。


・・・・・は・・・・?

哀しげに顔を歪めて、俺を見ていた佐野。



ゆっくりでいいんじゃないのか。

焦んなくても、いいんじゃないのか。



さっき言ったことの本当の意味が、分かってくる。



「お前・・・・もしかして・・・___」


「お前がこれからどうするかは、お前次第だ。
だから俺は何も言わない。
だけどな・・・・」



そう言って言葉を濁す佐野。


さっき、俺が芽悠を引き止めた理由を・・・・佐野は知ってる。

俺が・・・・さっき芽悠に言おうとしていたことも・・・・分かってる。


そしてそれを、今はまだやめろ、と言っている。



アイツのことを考えて・・・・今はやめろ、と。


戸惑わせるな、って。


哀しませるな、って。