太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

「芽悠と・・・話がしたい・・・」




周りの音なんて聞こえない。


ただ目の前の彼女しか目に入らない。


芽悠しか・・・・・見れないんだ・・・。




「・・・・っ・・・離してっ!!」




手が、振りほどかれる。

久しぶりに、ちゃんと芽悠の声を聞く。


彼女の嗚咽を、聞く。


目眩がして、倒れそうにな体をさっきまで彼女の手を掴んでいた手で支える。


もう・・・・彼女の温もりは残っていない。



頭が真っ白になって・・・・視界が色褪せていく。


俺の目には、遠ざかっていく彼女の小さな背中だけが、映っていた。