「いいんだよ、正直になっても」
その言葉に・・・顔を上げる。
爽太に・・・自分の想いを伝えても良いって、こと?
「・・・え・・?」
「だって・・・今しかないぞ、高校生できるのって」
先生の言葉の一言一言が私の心に刺さったトゲを抜いてくれるように、私の心に重く響く。
優しい眼差しは、心を溶かすように温かい。
「正直になって、傷つけ合って・・・・成長すればいい。
色々考えて自分だけ辛い思いして・・・
それで高校生活終わりなんて、
ちょっと悲しすぎないか?」
優しく笑った先生は、私の顔を覗き込むように見て私の頭を撫でた。
温かくて大きな手の重みが、心地いい。
「大丈夫だよ・・・。
お前は一人じゃない」
その瞬間・・・私の目に溜まる涙。
そ・・・っか・・・・。
そっか・・・・・。
一気に視界が滲んで・・・目の前にいる先生の顔もはっきりしなくなって、慌てて目を擦る。
「佐野っち・・・・ありがとう・・・」
きっと私の目は真っ赤だ。
だけどそんな私を佐野っちは目を細めて優しく見つめると、うんと頷いた。

