「なぁ、城咲。
お前は・・・もっと正直になってもいいと思うよ」
突然変わった先生の声色に驚きながら、優しい眼差しで私を見ている先生を見つめた。
・・・・・もっと・・・・正直に・・・・?
ふわりと吹き込んだ風が、先生の黒い髪の毛を揺らした。
それは・・・・爽太に正直に自分の思いを伝えろって・・・・こと?
「今でも・・・・私は十分正直だよ」
自然と爽太の席を見ながら言ってしまう私は・・・もう彼のことで頭がいっぱいなようだ。
自然と涙が出てきそうになって、唇を噛み締める。
「ほら、またお前はあいつのために、
あの子のためにって・・・
自分の気持ちから逃げてる」
図星すぎて、先生の顔がまともに見れないまま下を向く。
「・・・・そんなこと思ってない」
「他人が幸せなら・・・いいのか?
お前自身が幸せになれなくても」
私自身の幸せ・・・・?
そんなの・・・・・いいのに・・・。
今まで、考えてもなかった・・・。

