そう思っていたら私の前まで来て、ポンッと頭の上に手を置いた佐野っち。
びっくりして、佐野っちの顔を見上げる。
「お前はどうせ、
悩みを誰にも話さないで一人で抱え込んで泣いてたんだろ」
先生の私に気を遣ってないような軽い口調に、逆に泣きそうになる。
全部・・・・その通りで、涙が溜まる。
しかもそんな優しい顔で言われたら・・・・・
____泣いちゃうじゃん
「でも・・・言えない状況なんだよな」
「え・・・?」
「お前ら見てたら大体分かるよ、俺だって伊達に教師やってないからな」
佐野っちは・・・やっぱりよく見てくれていて理解してくれてる、私たちのこと。
それだけで、また苦しくて温かくて・・・涙が出そうになる。
誤魔化すように笑って、涙を堪える。
「ははっ・・・そうなの?」
「そうなの?っていつも俺は真面目にお前たちの面倒見てるだろ」
「そうだっけ?」
「全く、お前みたいな奴がいると・・・俺は毎日苦労するよ」
「あー、本音出てる!」
私が笑うと、「うるさい」って言って頭に置いていた手を離して、腕を組んで壁に寄りかかる。
こうして黙ってたらただのイケメンなのに・・・。
・・・まあ、喋ってもイケメンには変わりないけど。

