教室に着くと、自分の机の中から宿題のプリントを取り出す。
・・・気づいて良かった・・・。
ホッとため息をついた時、突然後ろから声をかけられる。
「あれ、城咲どうした?」
低くて、安定感のある声。
「うわっ・・・・佐野っち・・・。びっくりさせないでよ」
「悪かったな、教室の見回りしてるんだよ。もうすぐ下校時間だから」
少しめんどくさそうに首の後ろを摩った先生を見て、面白くてつい笑ってしまう。
・・・・先生も大変だな・・・見回りだなんて。
「もう元気になったのか?お前」
目を細めて私を見ると、優しく笑った佐野っち。
ドキッとして、目を逸らす。
「え、あぁ・・・まあね」
・・・・もしかして・・・あの時佐野っちも見てたの・・・?
よく考えてみれば、SHRが終わったあとも先生は教室で何かしてた・・・。
私が教室出るときもまだ残ってたしなぁー・・・。
・・・あぁ・・・何だか気まずくなった・・・。

