可愛いだけじゃなくて、頼れるゆうくん。
心に乗っかっていた重い何かが、ふっと溶けていく感覚。
素敵な後輩を持って、幸せだな・・・私って。
そんなことを思いながらも、ちゃんと部活をしないといけない、と思って雑念を振り払った。
今くらいは・・・何もかも、忘れていよう。
下校時間より少し前に部活を切り上げて更衣室で着替えていると、教室に忘れ物をしたことに気づく。
「ゆうくん、ごめん。教室に忘れ物したから、先帰るね!お疲れ様!」
「はい!お疲れ様です!」
すっかり元気になった私は、笑顔でゆうくんにそう言って、走って教室まで戻った。

