「芽悠っ!」

「おい待て!城咲!!」


駆けていく彼女の小さな後ろ姿に向かって、叫んでいた。

・・・・・行かないで・・・・。


目の前から去っていった彼女が、何処か遠くへ行ってしまうような気がして、気が狂いそうだった。


もう帰ってこないような気がして、怖かった。


それなのに・・・・・俺は・・・・・・・。



彼女を追いかけられない自分の心が、二つに引き裂かれるような感覚を覚えた。


追いかけて、抱きしめたい。

好きって・・・・・伝えたい。


でも・・・・・行ってはいけない。

望んでいたことなのに、自分が彼女を求めたのに・・・・・・。


____行くな



進もうとする足を、俺の感情が止める。