進むなと言っているのに、彼女に近づく足。


咄嗟動いた流生が、目の前に立ちはだかる。


「・・・・どけよ・・・・」


自分に対する怒りと、彼女を傷つけてしまった哀しみ。

閉じ込めていた感情全てが露わになって、心臓が震えた。



「・・・な・・・に・・?」



震えて・・・・掠れていた声に、ハッと我に返る。


_____違う



・・・・・俺は・・・芽悠に・・・こんな・・・・。


こんな声で、怯えさせたかったんじゃない。

つらそうに、哀しそうに歪んだ顔を・・・・見たかったんじゃない。


違う・・・・・・・。