さっきよりも強く握られた、二人の手。 自分ではない男と繋がれた手が、深い傷をえぐり、全身を麻痺させていくようだった。 ・・・・親友だろ・・・。 何考えてんの、俺・・。 呆れるのと同時に、黒い感情が心を染めていく。 「・・・どうした?」 流生の怒りが籠った声が、より自分を黒くしていく。 俺を睨む瞳から、彼女のことをとても大切にしているということが伝わってくる。 俺なんかよりも・・・・流生の方が芽悠を幸せに出来る・・・。 その事実だけが、喉元を締めるように呼吸を苦しくさせる。