太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~



いつの間にか、俺は階段を駆け下りていた。



嫌だ、嫌だ・・・・・・嫌だ・・・・。


何も見たくない、考えたくない・・・・。



二人が相合傘をして歩く姿を見たあの日から、自分の目で何かを見て傷つくことを、恐れていた。



傷つきたくなかった。

自分の目で見てしまったら・・・・現実を受け入れてしまったようで、嫌だった。


芽悠が俺から離れて行ったことを、受け入れてしまいそうで怖かった。

もう隣にいないことを・・・・当たり前にしてしまう自分が・・・・怖かった。


奥歯を噛み締めて、ただ走る。

更衣室に向かって、ただ足を進める。




止まらずに、振り向かずに・・・・・・。