重い足を引きずるように廊下を歩いていた時、教室の中から聞こえた佐野の声。
「お前らそんなに仲良かったっけ?まあいいけどさっさと部活行けよー」
"そんなに仲良かったっけ?"
それは間違いなく流生と芽悠に向かって言った言葉。
それくらい二人の距離が縮まったのだと感じるだけで・・・・胸に鋭い痛みが走る。
息が詰まって喉元が苦しくなる。
足をどうにか前に進ませようとするけれど・・・・・固まったように動かない。
その時、教室の出口に向かって歩いてくる足音が聞こえた・・・・・・。
・・・・・・・会いたくない。
流生に向けられた芽悠の笑顔を・・・・見たくない。

