その時、俺の方を見た芽悠と目が合う。 ・・・・・・芽悠・・・・。 哀しみに覆われた瞳が、薄らと浮かび上がる涙によって輝きを増しながら・・・俺を見つめる。 ビリビリと電流が流れるように痺れていく体。 心臓を切りつけるように俺に向けられた切なげな瞳に、深い傷跡が開くような気がした。 すぐに目線を逸らしながら、席から立ち上がった芽悠。 俺の横をすり抜けるように通り過ぎる。 「おい・・・」 咄嗟に口に出ていた言葉を、飲み込むように唇を噛み締める。 芽悠の足が進む先には・・・・・流生が、いた。