俺が代わりになって済むだけの傷なら、いくらでも代わりになろう。



「横岡が引き離そうとしなくても・・・・離れるしかないんだよ」



小さく、今にも消え入りそうな掠れた声でそう言った俺。


視線を落とし、「もういいだろ」と言って横岡を遠ざける。



離れるしか・・・・ない・・・・。



そう、ただそれだけ。

どれほど足掻いたって、手に入れようとしたって・・・・もう手に入らない。


手に入れることは出来ないし、手に入れたとしても傷つけるだけ。