太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

その瞬間、目の前にいる芽悠との間に・・・大きな壁が出来ていく。


もう、触れることも、喋ることさえも出来ない。


俺はそこに立ったまま動けなくて、ただ教室を足早に出て行く芽悠を見つめていた。



・・・・俺って・・・・悉く最低な人間だ。

ただ一人、好きな女でさえも・・・幸せに出来ない。



お前が笑ってくれていれば・・・・それだけでいいのに。

ただ、お前の笑顔が見られればいいのに。


なのに・・・・それさえも、もう俺には出来ないことになってしまった。


きっと・・・嫌われたんだろう。

横岡が芽悠に何て言ったかなんて知らないけど・・・・きっと俺にとって都合が良いわけがない。


無理やりキスされたとか・・・そんなことを言われてたらもう終わりだ。


お前は・・・・きっと俺に失望してるんだよな・・・。


知ってるよ、分かってる。


自分がどれほど最低で、欲深くて・・・・汚い人間かってことくらい。


俺が近づくだけで、お前が汚れてしまうことも・・・・知ってる・・・。