太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

彼は面白そうに私を見て、大きな両手で私の頬を包み込むように触れた。


やっと口の中が空になり安心したところなのに・・・彼は私の真っ赤になった顔を、元に戻してくれないらしい。


温かい流生の手から優しい温かさが、私の心にじわじわと伝わってくる。




「な・・・に・・・?」




やっと発することが出来た言葉。

彼の目をただ見つめていたら・・・瞳から冷たさを感じる。


寂しそうな・・・・瞳。



彼は私のことを暗闇から助けてくれたけれど・・・・


私もきっと、彼を暗闇から救わなければいけない。



その時、なぜかそう感じた。



流生はきっと今、苦しんでいると・・・よく分からないけれど、直感でそう感じた。




・・・



その後は、ただ楽しく二人で話していた。


流生と居たら・・・私は涙を流さずに済む。

辛くない・・・。



小さく聞こえたチャイムの音はきっと・・・・昼休憩の終わりのチャイムの音。


楽しい時間はあっという間に終わってしまう。