「でしょ。私が作ったから･･･じゃなくて、卵焼きが･･･」
「お前が作ったのかこれ････！？」
流生は驚いた顔をして私を見た。
そんなことはいいから私の卵焼きを返して欲しい。
「うん、いつもお弁当は自分で作ってる」
「すげぇ･･･。俺にも作ってきてくれね？」
流生は笑顔で私にそう言った。
自分のお弁当を褒められるのは、悪くない。
「え、うん･･。まあいいけど？」
私の答えに無邪気な笑顔で「マジで！？やった！」と答えた流生に、ドクンと心臓が音を立てる。
つい、私も笑顔になると･･･その時、笑った私の口の中に入ってきた甘いもの。
サクッとしたパンと優しい甘さのカスタードクリームが口の中に広がる。
「んっ･･･美味しい！」
「お礼。食べかけでごめんな」
食べかけってことは･･･関節･･･キス･･･？
その瞬間、顔が真っ赤になって･･･もう味が分からない程に心臓の音がうるさくなる。
