真っ直ぐと進み、自分の席に座る。


何事もなかったように机から教科書を取り出して、移動教室じゃなかったから急がなくて良かったとホッとため息をつく。


「あ、芽悠!もう大丈夫なの・・・?」



前から心配そうな声が聞こえた。


やっぱり・・・朝の真奈美はきっと私の見間違いか何かかな・・・。



「うん。ごめんね、心配かけて」

「ううん、先生にはちゃんと言っといたから安心して」



彼女は相変わらず朝と変わらないとびきりの笑顔を私に向ける。



その笑顔で、私の心がどれほど傷ついているかなんて・・・・彼女は知らなくていい。



私が、ただ一人が耐えれば済むことなら・・・そうすることが一番なんじゃないのかと思うから。



そんなふうに考えないと、きっとここに居続けることは不可能だ。

自分は他人のためを思って、身を引こう。



聞こえは良いかもしれないけれど・・・私は善人ぶって笑ってるだけの偽善者。