「ありがとう・・・」


今伝えたいことは沢山あるけど、きっと流生はこの一言で分かってくれる。


「おう」


いつものように輝いてる笑顔も、私に向けられたいつもとは違う優しさも・・・・

きっとどちらも本当の流生。



その時、鳴り響いた1時間目の終わりを告げるチャイム。



チャイムの音が、私の心音を乱す。


これから・・・爽太と、真奈美と会わなければいけない・・・?



それだけで自然と目を閉じてしまう。



見たくない現実。

教室に戻ると二人はどんな顔をして私を見るのだろう。



ただ逃げることしかできない。

いつまで経ってもきっと受け入れられない。



あぁ・・・何も考えたくないし・・・何も・・・したくない。


ずっとここに居たい。