手から伝わってくる温もりを感じる。

いつもとは違って、ゆっくりとしたトーンの低い声から分かる・・初めて見る彼の優しすぎる一面。



優しく微笑むけれど目は寂しそうで、光がない。


その時やっと気づく。

彼の手を握ったまま眠っていたことを。



「・・・ぁ・・・」



・・・上手く声が出せない。

きっと、沢山泣いたからかな・・・。


私は流生に握られている手を見た。



「あ・・・わりぃ・・・」



流生は慌てて手を離した。



本当は・・・もう少し握られていても良かったとその手を見る。


ゆっくりと起き上がり・・・時計を見た。

もうすぐ1時間目が終わる。