太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

「俺なら・・・泣かせないのに」


いつもとは違ってからかったりとか、馬鹿にしているような感じは全く感じられない。


何でこんな時に限って・・・そんなに優しいの・・・?


もっと・・・立ち直れないくらいに傷つけてくれればいいのに。

・・・・逃げ出したくなるくらいに・・・痛めつけてくれればいいのに・・・。



そうすれば・・・・私は消えてしまおうと思えるのに。



私は何も言えなくて・・・声が出なくて、ただただ泣いていた。



どれくらい泣いたか分からないくらい泣いた時・・・私の前にやってきたその人は、大きな手で、私の頭を撫でた。



「そばに居てやるから・・・泣きたいだけ泣け」



私が泣き疲れてゆっくりと起き上がった時、優しい温もりに包まれる。

・・・・抱きしめ・・・られてる・・・・。



久しぶりに感じた温もりが・・・温かくて優しくて、止まっていた涙が、また溢れ出す。



「るっ・・・い・・・。ごめん・・っ・・・」



頑張って絞り出した声は、小さくて掠れていた。



「何で謝るんだよ・・・」



彼は私を抱きしめたまま、また私の頭を撫でた。


なぜか落ち着く彼の腕の中で、私は何も考えず・・・


ただ、泣いていた。