「そっか・・・。でも、キスしたなら・・・返事は決まってるよ」
私はもう何も考えず、ただ彼女の前にもう一人の私を作り上げる。
・・・泣くな・・・・。
ほら・・・笑え。
こんなところで泣くなんて・・・・いやだ。
無理やりな笑顔で、真奈美を見る。
もう・・・・そこに本当の私はいない。
「どうしよ・・・なんか頭痛い・・・」
仮病を装い、一刻も早くこの場から逃げ出したいと考える。
・・・今のままで授業なんて受けられるはずない。
「大丈夫・・?」
「ごめん・・・保健室行ってくる・・・。先生に言っといてくれない?」
痛むのは頭じゃなくて、何かが突き刺さってとれない私の心臓。
・・・・その痛みは段々と全身を麻痺させるように広がっていく。
爽太は・・・・私と離れたいってことかな・・?
こんなふうになれば・・・・私はただの邪魔者でしかないじゃない・・・・。
「うん、分かった・・・。一緒に行こうか?」
「大丈夫・・・。ごめんね」
少し口早になりながらも、会話が終わったことにホッとする。

