太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

芽悠が好きな奴と一緒に笑っていられるなら・・・どんなに苦しくても我慢する。


街灯の灯りが、狭い道を照らす。


そんなことを考えていたら・・・ふと止まる足。


そこは、芽悠の家で・・・明かりがついていた。



ここに・・・芽悠がいるんだ。



こんな雨の中で見る芽悠の家に、温かみを感じた。

少しの間、ただ見つめていた。



だけど・・・・気持ちが収まらなくて。



ただ会いたい、それだけの思いで・・・一度だけ来たことのある芽悠の家のインターホンを押す。



中から聞こえた、「はーい・・」という控えめな声。


急に現実に引き戻されたように、心臓が飛び跳ねる。



ゆっくりと開いたドアの向こう側に、当然だけれど・・・そこにいた芽悠。



なぜかその姿に安心する。



「よっ・・・」



自然とこぼれた笑み。


一瞬で糸が解けていくように・・・・体の力が抜けていく。


お前を見るだけで・・・心が温かくなる。