「いらっしゃいませー」




元気な声、とは言い難い何処と無くダルそうな声が魔女の店に広がる。




「今日は本当の願い?それとも気まぐれな願い?」




問いかける声はダルさが少し抜け、ワクワクしてるように変わる。




「本当の願いが叶えば、もうここには来れない。そう言う魔法がかかった森の中だからね。どうする?」




魔女はスイッチが入ったのかハキハキ喋り出す。


隣にいる烏は呆れた、とでも言いたそうに顔を背け窓から空へ。




「そうか、本当のお願いでいいんですね?…その願い、寿命8年です!」




嬉しそうに営業スマイルを振り撒く魔女は




「まいどありー!」






666年生きた少女。