鳥の声、風の音、木々の音。


青い空、白い雲、小さな家。





ファインは帰ってこない。


誰も来ない。


願いを持つ者が、来ない。




「何で誰も来ないんだ」




モヤモヤした感情。


嫌な予感。


ファインに何かあったのか。


いや、信じて待つべきなんだ。


…でも魔法で状況を見るのはいいかな?




「1分の対価は1日の寿命の初歩魔法」




私の寿命はそんなの屁でもない。


魔法で作り出した鏡にファインが写る。


一瞬意味が解らなかった。


いや、解りたくなかったんだ。




「…行かなきゃ」




鏡に写っていたのは独房でボロボロになった身体のファイン。


身体はボロボロでも目には光が宿っていた。


わかってる。


信じて待たなければいけないことなんてわかってる。


けれど、




「ファイン…」




私が我慢できないんだ。