桜の約束





返事が返ってこなくて、無理なお願いだったのかもしれないと心配になった。



そもそも、私に手伝う義務なんてないし…。



私が、記憶が戻らなくても平気だと言っちゃったんだし。



『あ、あぁ。俺でよければ。手伝うよ』



慌てたような、驚いたような、そんな声で私に手伝うと言ってくれた。



「あ、でも……元彼女の私なんかと、行動して大丈夫、ですか?」



自分のことばかりを言ったけど、そうだ。


野上くんは?大丈夫なの?



私は、あなたにとって今は彼女じゃないもの。



自分のことだけを押し通すのは、違うと思う。



『…過去の記憶を取り戻すために協力する。そのくせに、何言ってんだって話なんだけどさ』



「は、はい…?」



ふと思いついた、というように言ってくる。



『淡井が嫌じゃなければ。


_____俺と、初めましてから始めませんか』



たっぷりと5秒ほど間をおいて、彼は提案した。