桜の約束





頭が、ズキリと痛んだ。



「…っ…!」



顔を顰めて、頭に手をやる。



何か、布の様な物が頭に巻かれている。



気づかなかったが、体のあちこちに白い包帯が巻かれていた。



そう、いえば。



ここまでの傷を負った理由を、思い出す。



私、事故にあって…。



思い出すと同時に、身体中の痛みが戻ってきた様な気がして身体を丸めた。



事故にあってすぐのことを思い出して、ふと右手を見つめる。



何かを、取ろうとして伸ばした右手。



当然といえば当然だが、何も掴んでいなかった。



何をつかもうとして居たのか。


それは思い出すことが出来ないのに、右手に何も持っていないことを、残念に思う自分が居た。


そして、そのことに私は驚いた。