桜の約束





硬い地面を跳ねる、小さな桜の肢体。



何度もバウンドする身体と、血のついた地面。



俺は…それを見ていただけだった。



泣きそうだった。


泣いても何も変わらないと、唇を噛んで耐えた。



全てがスローモーションのようで、転がる桜の身体は、ゆっくりと止まった。



桜を中心にして、赤い血溜まりができて行く。



俺は、じっと見つめることしかできなかった。



やがてやって来た救急車に桜の体は乗せられて、病院へと連れて行かれた。



俺は毎日見舞いに行った。


目覚めるまで、毎日。



そして、目覚めてかけられた声が誰、だったのだ。



その瞬間から、俺の中で桜と交わした約束は形を変えた。



記憶が戻るまで、君を待つと。