桜の約束





「あ、ううん。嫌とかじゃなくて…。

男子って、雑貨屋さんとか選びそうにないのに、なんでかなぁって思っただけ」



「あぁ、それは…。

昔、桜が行きたがってたから」



言わない方がいいかと思ったけど、結局嘘はつけなくて正直に伝えた。



「…知らないよ。そんなの…。

でも、うん。行こう」



そんなの、か…。



記憶のある桜とは、そこに行こうと言う約束みたいなもので、俺にとっては大事な約束だったんだけど…。



仕方ない、よな。



そんなことを考えてるから。俺は、気づかなかったんだ。



桜が泣きそうな顔をしていることに。



「行こ」



顔を背けるようにして、俺よりも先に歩いて桜はゲームセンターを抜けた。